バーバラと心の巨人

久しぶりに見終わって、しばらくのあいだ世界観から抜け出せず呆然としてしまうような映画をみた。


水面に投げられた小石のように、じわじわと心に波紋が広がり、最後は涙がとまらなかった。


少女が、自分の前に立ちはだかる恐怖や痛みと向き合うとき、それは命がけの闘いであり、そのとき誰もが戦士なのだ。

ハリーポッタークリス・コロンバス監督が制作を担当しており、独特の暗鬱とした美しい画に引き込まれた。

普遍的で重いテーマを児童文学のように丁寧に、少女の心の機微がきちんと描かれているため、わたしは自分自身がバーバラだった頃にタイムスリップしたような錯覚に陥った。

表向きはファンタジーでくるんであるが、現実的なメッセージ性が強く、バーバラの役者の子がハマり役というか、とにかく上手い。「バーバラと心の巨人」という日本版タイトルが批判されがちではあるが、見終わると、これはこれでまぁ良いんではないか、という寛容な気持ちになった。

教師や児童カウンセラーなどの思春期の少女と向き合う職業の方にはとてもお薦めの作品かなと思う。


バーバラの命懸けの闘いを見届けられて良かった。巨人からのメッセージも重く、ずしんと心に響いた。

本当に見てよかったし、これからの人生で何度も見返すと思う。