春は我ら人間を翻弄する魔の季節である。

春。草木は芽吹き、花は咲き誇り、目に見える世界では一見希望に満ち溢れて、寒く凍てつく冬から新たなスタートを切ったような、それは晴れ晴れしい季節なのかもしれない。


しかし、それは概念上の春であって、実際の春というものの正体は、花粉との戦いであったり、暖かくなったと思ってコートを脱いだら、急に寒の戻りで寒くなり風邪をひいてみたり、春の嵐で理由もなく憂鬱で死にたくなってみたり、新しい仕事には馴染めず朝が来るのが嫌で仕方なかったり、人が嫌いになってみたり、、、

とまぁ、わたしの個人的な偏った思考が導き出す意見ではあるものの、春は我ら人間を嘲るように翻弄する魔の季節であると、わたしはつねづね思うのであります。

それに春の属性である「桜」も春の属性であるがために、あんなにも夢かまぼろしかもわからぬようなうちに、咲いては散っていくのではないか?と、春という季節にふつふつと怒りすら覚える始末。


春がもっと優しい季節だったら、こんなにも憂鬱じゃないはずだし、もっと前向きに生きる姿勢を見せることができるはず。(誰にだ、、?)

なんか春って、まるでエリザベートに出てくるトートみたいな、黄泉の国へと誘う美しい死の大天使みたい。それくらい春は黄泉の国と近しい季節だとおもう。

個人的に4月は自分の誕生月でもあるし、色んなことを想う季節でもあるけれど、好きだけど嫌い。生きたいけど死にたい。そんな相反する感情に支配されるかんじ。

そんなわたしは、まんまと風邪をひき、ベッドの中で朦朧とする頭でこの日記のようなものを書きながら春に降伏するのであった。。。アーメン。