おセンチ症候群。

わたしは、ただ息をしているだけで、なんとなく切なくやるせない気持ちになることが多々ある。特にこれといった理由もなくとも、おセンチモードと呼ぶに相応しい、なんともいえない気持ちに支配されるのだ。

先週、実家のある岡山に帰っていた。そこで、わたしが昔使っていた部屋の、わたしが使っていた勉強机に、昼下がり、風がレースのカーテンを揺らすなか、ひとりポツンと座っているだけで、なぜだか泣きたくなってしまう。

かつて、ここはわたしの部屋だったが、もうわたしの物などひとつもない部屋だ。

10代の頃はちっとも健康ではなく、病気ばかりしていた。死ぬことばかりを考えクヨクヨして、生きていくことの重みに耐えきれず、泣いてばかりいた。いつも本が友だちだった。

わたしはあの頃から成長できているのかな。なんだか歳だけを重ねたような気もするし。好きなものも趣味も何も変わっていない。

わたしは、わたしだけが、何ひとつ変わらず、未だ子供のままのような気がするのに、おじいちゃんは亡くなってしまったし、妹は結婚した。時間はとまってはくれないし、このまま自分だけが取り残されて、ただポツンと部屋に座っているような感覚に襲われた。

昔よりも人と臆せず話せるようになったし、上手く笑えるようになったかもしれないが、この部屋にはまだ生きることに臆病な少女の頃のわたしがいるような気がしてしまう。

岡山に帰ると、いつも、なんともいえないノスタルジーと、そしてもう二度と帰ることのできない昔の思い出と格闘してしまう。

こういった、名付けようもない、心の葛藤(?)をみんなはどうしているのか。いくつになっても、自分以外の世の中の人全員は、上手くスイスイと生きていってる気がするのに、わたしはいちいち色んなことに想いを馳せて、まっすぐな道でも、あえて難しく歩いてしまっているような気がしてしまう。

自分以外の、誰かになりたい。10代の頃、いつもそう思って願うように眠りについていた。

今はそんなことは一切思わないし、自分がいちばんだと思うくらいには自分のことが好きで、自分のことは自分がいちばんよく解っていると思っている。(嫌になることは多々あるけれど、)

だからその点は、大人になってよかったなという、唯一の収穫のような気がする。

はぁ〜生きてるっておセンチ!(;o;)