桜の頃。

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桜を見ていると、色んなものの輪郭がぼやけていき、今じぶんがどこへ立っているのか、じぶんはどこへ向かっているのか、桜の淡い優しい色に視界をふさがれるたび、まるで生きていることが、夢の中にいるのではないかと思えてくるような、不思議な感覚に包まれる。生と死があって、あの世とこの世とがあって、そうしたあらゆるもののカタチが溶け合って、今こうして桜を見上げてる自分もその一部なのだと。

春はいちばん得体の知れない捉えどころのない季節だと思う。春の嵐が桜を散らす夜は、憂鬱な気分で眠れない。だけども、その憂鬱さもまた春に属するもののような気がして好きなのである。